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    2006年1月更新 p   

 公認会計士として、民事再生法の申立会社のお手伝いや、裁判所任命による監督委員の補助者として業務を行っています。
また、会社更生法の管財人の補佐も行っています。
これまでに約50〜60社に関与しました。

2006年2月に全国倒産処理弁護士ネットワークhttp://www.zentoh-net.com/(大阪)にてお話しさせて頂きます。

以下、民事再生法についての仕事をする経験上、ごくポイントだけに絞って留意点を記載します。

民事再生法の基本的な流れ

  次のサイトが手続き全体を理解するの役立つと思います。
      法務省
      中島・宮本・畑中法律事務所

会計的な側面から重要なポイント

申立後の留意点です。全て申立会社側から見た記述にしています。
監督委員側からは、下記の手続きをチェックするということになります。監督委員の補助者の場合あくまで監督ですので、作表など実務作業は行いません。

保全処分への対応

  1. 保全処分日以前に発生した債務は支払ってはいけませんから、その月の属する請求書を納品書などにより精査して、支払っても良い債務といけない債務とを区別します。

開始決定による対応

  1. 開始決定日現在で資産、負債について財産評定しますので、仮締めをしなければいけません。
    通常、月中でのコンピューターの締めは困難ですから、工夫をしなければなりません。

財産評定

  1. 開始決定日現在で、仮に清算したとした場合の財産評価を行い、清算配当率を算定します。
  2. 多くの会社で該当する主な調整項目は以下です。
    ◇ 資産の売却価値への評価減
    ◇ 退職金(会社都合要支給額)の計上
    ◇ リース債務の計上
    ◇ 清算費用の計上 など
  3. 簿外負債の計上に注意します。借入金の返済が滞っていた場合などは、利息や遅延損害金が帳簿に計上されていないことが多いですが、清算配当率を計算するにあたっては考慮すべきです。
  4. 財産評定は後日の次のような活動に関係しますから、留意してください。
    ◇ 別除権者との交渉
    ◇ 将来発生する資産売却損益の額の予想
   財産評定についての参考書式が日本公認会計士協会近畿会のホームページからダウンロードできます。
   文書名は「民事再生法における財産評定参考書式」です。http://www.jicpa-knk.ne.jp/index.html  
   のダウンロードのページです。
   
債権認否
  1. 債権届け出をしてもらい、それをチェックします。上の保全処分日におけるカットオフと関連しますので注意します。
  2. 保証実行、求償権の存否などへの対処には注意が必要です。
  3. 債権認否の手続きはスケジュール的に財産評定の後になっていますが、この手続きで債務の計上漏れが判明することもあります。
  4. うっかりしやすいことですが、債権認否で認めた債務は本来帳簿に計上されているはずのものです。しかし、帳簿はこれまでの経理記録から積み上げられたものであるのに対し、債権認否書は積み上げ作業ではなく、残高の届け出によりまとめたものですから、多くの場合いろいろな理由で一致していません。不一致でも間違いではない理由もありますが、まずは不一致原因を究明して、利息の計上漏れや買掛金の計上漏れがあれば帳簿を修正します。

事業計画の策定
  • 再生債務は10年以内に返済しなければいけませんので、10年ないし11年の経営計画を作成します。
  • 売上や仕入、経費について、将来の予想は極めて困難ですが、できるだけ合理的に予想をします。単に作成するだけでは表計算ソフトさえあればできますが、実現可能性が伴わなければ意味がありません。
  • 法人税等の負担と別除権者への支払いが大きな課題になることが多いです。
  • 事業計画案を作成するに際しての参考書式を、日本公認会計士協会近畿会の法務会計委員会が作成しました。(私は担当副会長として関与しました)  NBLの平成14年9月に紹介されましたが一部の様式しか掲載されていませんので、必要な方は日本公認会計士協会近畿会のホームページからダウンロードできます。文書名は「民事再生法における事業計画案作成のための参考書式」です。http://www.jicpa-knk.ne.jp/index.html のダウンロードのページです。
    また、資金繰り表の参考書式も公表されています。
法人税等の負担について
  • 債務免除益が多額になるとそれに対する税負担をどうするかが課題となります。
  • 債務免除益に対して、過去5年間の青色欠損金を控除できるのは当然ですが、特例として5年超過ぎた欠損金も控除できます。ただし、青色欠損金から先に控除されますので、再生計画の2年目以降は法人税等の負担が生じる場合があることに注意します。
  • 5年間欠損金の繰越があったとしても計画6年目以降は法人税等の負担が生じますので、再生債務の弁済に余裕がなくなります。

清算配当率と民事再生法による配当との優劣比較
  • 当然再生による場合の方が有利でないと意味がありませんが、実行できないような高い配当率を約束することは許されません。
  • 銀行借入だけでなく、売掛債権や買掛債権が多い場合に、清算配当率が高くなる場合があります。なぜそうなるかと言うと、通常であれば回転している買掛債務を一旦締め切って、10年内で支払う必要があり、そのためには再生条件による弁済が低くならざるを得ないからです。

その他
  • 申立に至った事情を十分に分析し、同じことを繰り返さないように経営に役立てることが重要です。
  • 再生計画案には法律上必要なことが記載されますが、それだけではどのようにして再生するか十分に説明されませんので、補足説明書を作成し開示することが望まれます。
認可決定確定後
  • 認可決定確定が一つの節目ですが、それからが「再生」の本番です。
  • 2ヶ月ごと、半年ごとに監督委員、裁判所宛に報告します。
  • 決算期において資産の処分損、債務免除益など特殊な事項を含む税務申告書を作成します。当然計画時に大略のシュミレーションは行っていますが、誤りが無いよう細心の注意を払います。
                                                      以上