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中間法人

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 2002年9月更新p

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 中間法人およびNPO法人の会計と税務(月刊非営利法人2002年8月号の原稿)

 下記税務弘報の原稿と共通部分もありますが、違う点がありますので両方を参考にしてください。

      中間法人およびNPO法人の会計と税務(全国公益法人協会 月刊非営利法人2002年8月号)

 中間法人についても言及した拙稿 

      NPOと中間法人の税務のポイント(中央経済社、税務弘報2001年12月号原稿)掲載

 中間法人制度(7月加筆)

   共同法人として法案が出されましたが、最終的に去年の名称である中間法人法として成立しました。(個人的には下記目的では共同法人の名称の方が実質に合致していると思います)  

   以下は上記、拙稿からの抜粋

T 中間法人制度の概要
 本年6月に成立した中間法人法の概略は以下である。なお、施行日は公布の日(6月15日)から起算して1年を越えない範囲内において定めることとなっており、執筆日現在まだ確定していないが、平成14年4月1日と見られている。

1 制定の経緯
 社団・財団法人やNPO法人のように広く公共の利益を目的とするのではなく、同窓会や親睦団体、互助会のように特定の者の利益を目的とする団体については、農業協同組合のような特別なものを除いて、一般的な法人制度がなかったので新しく制度が設けられた。
 なお、公益法人から中間法人への組織変更についての規定は盛り込まれなかった。公益法人制度についての問題意識から平成8年来同制度の見直しが検討されてきたところであり、現状では公益法人として互助会、同業者団体的な活動を行っている法人のあり方についても検討されてきたところである。その流れの中で平成12年3月の「中間法人(仮称)制度の創設に関する要綱中間試案」が公表され、そこでは公益法人から中間法人への組織変更の規定が盛り込まれていた。にもかかわらず今回盛り込まれなかった理由は公益法人として税制優遇を受けて蓄積した剰余金が、主務官庁による監督がない中間法人に組織変更した後にどのように扱われるかということへの懸念からである。
 また平成12年3月の中間試案に記載されていた「大規模法人に対する公認会計士等による会計監査の義務づけ」規定についても削除された。これは公益法人そのものについて現状では公認会計士監査が要請にとどまり法定されていないこととの均衡からであろう。

2 中間法人とは
社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、剰余金を社員に分配することを目的としない社団を中間法人とした。(中間法人法2条一)
  有限責任中間法人と無限責任中間法人の2種類がある。設立及び運営の手続きは、社員が連帯して法人の債務について責任を負う無限責任中間法人の方が、有限責任中間法人より簡易であるといえる。
 特徴的な項目について図表3にまとめた。

3 計算書類
(1)計算書類の種類
 中間法人法9条Cに商法を準用して貸借対照表、損益計算書の作成を規定しているほか、有限責任中間法人については、貸借対照表、損益計算書、事業報告書、剰余金の処分又は損失の処理に関する議案、附属明細書の作成が規定されている。(中間法人法59条@)
 これでわかるように、これまでの非営利組織(社団・財団法人、社会福祉法人、NPO法人など)において作成を義務づけられていた収支計算書と財産目録が作成書類から除かれ、一般企業と同様の計算書類が規定されているところが大きな特徴である。
(ほぼ商法の規定を準用していますので、非営利法人といえども企業会計に近づいているのが最近の流れと思います。公益法人のページにご紹介している非営利法人統一会計基準についての報告書とも流れは同じです。)

(2)計算書類の公開
 有限責任中間法人の計算書類は定時株主総会の1週間前から5年間主たる事務所に備え置かなければならない。社員及び法人の債権者は計算書類の閲覧又は謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。(中間法人法61条)
 無限責任中間法人については計算書類公開の規定がない。

(3)会計基準
 中間法人法では商法の準用を多く行っており、会計処理の方法についても以下にように準用している。
 @ 財産評価の原則、減価償却の規定(中間法人法9条C三→商法34条)
 A 有限責任中間法人について、金銭債権の評価など財産評価の特則(中間法人法71条→商法285条ほか)
 以上のことから、計算書類の種類だけではく、その作成基準も一般企業とほぼ同様と言える。

U 中間法人に対する税務

1 法人税、住民税、事業税
 格別の規定は設けられていないため、普通法人と同様の課税がなされることとなる。
したがって、例えば同窓会費の収入も益金として扱われることになり、経費を差し引いた後の金額は所得として課税されることになる。
 現行が人格なき社団であるならば、同窓会事業は法人税法に定める33の収益事業に該当しないため、余剰金が生じても課税されないこととは対照的である。(図表1参照)
 
2 消費税
 中間法人は消費税法上同法別表3に掲げる法人、すなわち公益法人などと同様に扱うこととされている。(中間法人法156条)したがって特定収入などの計算を行うこととなる。

なお、昨年4月に出された案は以下のようなものでしたが、大きく修正されています。

   公益法人から組織転換の受け皿としての規定は削除されていることも注目点です。
   また大規模法人に対する公認会計士監査の規定が削除されました。

参考:  中間法人制度(2000/4)

   「社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、営利を目的としない社団」
   例えば,同窓会,業界団体,親睦団体等)について,法人となるための
   一般的な法制度を創設することを目的として,これまでの法制審議会
   民法部会法人制度分科会における議論を,平成12年3月21日に,
   中間法人(仮称)制度の創設に関する要綱中間試案として取りまとめました。
   法務省では,この中間試案について,皆様から寄せられた御意見を踏まえ,
   さらに法制審議会において議論を重ね,平成12年度中に法律案要綱の取り
   まとめを行うことを予定しています。

      1999年9月では以下の状況でした。

      営利事業のウェートが高い公益法人の営利法人等への転換を受け入れる法人格として
   中間法人制度が、行政・学者からなる検討会で検討されており、99年9月に報告書が
   公表されましたが(法人制度研究会報告書)、上記の試案にまとめられ、
   「社員に共通する」という狭い対象になりました。。
   基本財産300万円以上、準則主義で行政の監督を最小限にするなど
   これまでの社団、財団に比べものにならない程、設立が容易になる
   案となっています。

 有限責任中間法人と無限責任中間法人の相違

                         2002年9月補充

     有限責任中間法人 無限責任中間法人
基金
 最低基金総額 300万円(12)
社員に拠出義務はない




   該当なし 



 
 基金の返還 拠出者に対して可能(2)
 損失てん補準備金


 
純資産額が一定額を超える場合には当該超過額の1/20以上を準備金として積み立てなければならない(64)
 代替基金

 
基金が返還される場合には返還される基金に相当する額を積み立てる(67)
残余財産の帰属

 
定款の定めるところによる。
定款で定まらない場合は社員総会の決議による(86)
同左。
定款で定まらない場合は総社員の同意により定める(113)。
社員の数 2人以上
社員の責任
 経費の負担
 
社員は定款に定めるところにより経費を支払う義務を負う(23) 同左(101)
 
 連帯責任


 
規定なし


 
法人の財産をもってその債務を完済することができないときは、社員は連帯してその弁済を行う
 法人が社員になれるか なれる なれない(96)
法人の代表、業務執行者



  理事
  監事
理事(45)
 


1人以上(38)
 1人以上(51)
社員(各社員は業務を執行し、代表する。但し業務執行社員、代表社員を定めることができる(102,103))
 該当なし
 該当なし
計算書類の公開 有り(61,68,69) 規定なし
社員は他の社員に対して業務の執行の状況について報告を求め、又は財政の状況を調査することができる(105)

























 

( )内は中間法人法の条文番号